ワークショップ

オープンダイアローグの基礎、リフレクティング・プロセスを学ぶ その2
PDF版の案内 コーディネイタ/ファシリティタ:功久(いさく)

これは、11月のワークショップが大好評で、さらに深めたいという要望を受けて企画する続きと言えます。ただし、前のものに参加しておらずとも、十分入れるようなグループにするつもりです。 同封した前回(さらには前々回)の報告を読んでください。レクチャーも予定していますが、実際に試みながらリフレクティング・プロセスを学んで行きます。 全員参加のワークショップですが、オープンダイアローグを知らない人も、リフレクティングがどういうことなのかわからない人でも参加できるように工夫します。ただし、きれいにまとめあげることはしません。

★「オープンダイアローグ」とは統合失調症なるものに対する方法としてフィンランドの過疎地域で生まれ、抗精神病薬や支援体制に対する概念を大きく変え、これまでの常識を覆えようとしている方法であり、考え方です。 そこには専門家の在り方を根底から見直させる発想があり、精神医療の畑を超えて、大きく注目されて来ています。精神科医療や福祉をはるかに超える可能性をもっているからです。

しかし、これが日本の医療や福祉の中に入るには極めて大きな困難がありそうです。外からのハード(制度上)における抵抗はもちろん大きいが、同時に受け入れようとする人やグループのなかにおけるソフトの文化的抵抗もそれ以上でしょう。創設者の一人であるヤーコ・セイラクはオープンダイアローグとは“治療法というよりpolitical thing だ”と言っています。 しかし、日本では「政治」と言い出したら、それだけで多くの人が引いてしまいます。これは一体なぜでしょう? このことこそ文化的抵抗と深くつながっています。

こうしたことを心に留めておきながら、オープンダイアローグの実際のなかで基軸として使われているリフレクティング・プロセスを、まずは学びましょう。ナラティヴ・アプローチの家族療法家であったノルウェーのトム・アンデルセンが始めたリフレクティングはシンプルな方法ですが、小手先で使える技法といったものではなく、 その背後には近代の専門家支配というイデオロギーを超えんとする価値観や理念が含まれてもいます。オープンダイアローグの実践には、リフレクティングの考え方とプロセスがあって初めて、多くのことが展開していることが分かります

日時 2016年1月14日10時~17時半
会場 立命館大学衣笠キャンパス
人数に制限があり、申し込みが必要です
申し込み
問い合わせ先
nonisac@yk.commufa.jp
参加費
  • 会員:2,000円
  • 非会員:4,000円
  • 学生1,500円
  • 社会人学生/院生2,500円

【注意】

日本臨床心理学会は、対話を大切にしようという精神をもって来ましたが、このワークショップでは、この学会の組織や研修のあり方についての問題は扱いませんので、それを承知したうえで参加くださいますよう。

精神科デイケアにおけるグループワークの考え方と工夫
PDF版の案内 栗原毅(北沢保健福祉センター・デイケア グループワーカー)

私は大学で心理学を学び、卒業してから約30年間、精神科デイケアでグループワークの仕事をしてきました。

 私が働いてきた精神科デイケアは、精神科に通院中の人たちが週に一回通ってきて日中活動を行う場です。多くの場合、午前2時間、午後2時間のプログラムがあり、 5~20人くらいでグループ活動を行います。活動内容は、話し合い、調理、外出、スポーツ、創作、レクレーション、「訓練」など、さまざまです。

私は、精神科デイケアで目指す事は、通ってくる人たちが様々な形で本人の持つ力を回復したり新たな力を獲得する事、さらに人間関係や生活の豊かさを取り戻す・獲得する事だと思っています。 そのために、まずデイケアの場では、デイケアへの参加のハードルを下げようと思っています。具体的には、朝、遅れてきた人の着席を待って話の続きをするとか、プログラムに参加しない事を 保証するとか、プログラムの内容や進め方をこまめに説明するなどして利用者に関わり、多くの人の意見が生かされ、参加しやすい場にしようと思っています。ほとんどの場合、一人一人の意見を 聞くとか、その場で話し合っている事と違う事についての発言でも無視しないとか、場の雰囲気を緊張させるような発言や出来事に対しては応答して、同じように緊張しているであろう利用者の緊張感を 緩和するといった達成感を持てる事を目指します。

プログラムについては、多くの人が参加しやすく、楽しめ、達成感を持てるとかを目指します。例えば、普通は1対1でするオセロを10人でやるとか、「大掃除」ではなく「小掃除」をするとか、バレーボールは円陣パスを続ける回数の目標を5回にするとか、プログラムの提案について「発言」と「紙に書いてもらう」形を用意するとかです。

その他にも、グループ全体についてこまめに意識をまわし、デイケア以外の事(暮らしの工夫や社会のニュース)を積極的にプログラムや日々の話題に持ち込むことや、あまり話さない人に「話しかけてもいいですか」と聞くなどなど…書き出すといろいろありますが、詳細は当日お話します。また、逆に何もしなかったりということもあります。

また、意識してするかどうかを考える事として、「代わりにやってあげる」「評価したりほめたりする」「友達のようにかかわる」「話のテーマを深める」「みんなで盛り上がる」等があります。 この様に、利用者とどうかかわるか、デイケアの場をどのような場にするべく努めるか、プログラム等にどのような工夫を加えるか、という事を考えながら働いてきました。

研修会では、前半、精神科デイケアのグループワーカーとして、私がどのような事を考え、工夫してきたかという事をお話しし、後半は参加された皆さんと意見交換ができればと思っています。

日時 2月12日(日)14:00~16:30
会費
  1. 会員1,000円
  2. 非会員2,000円
  3. 学生1,000円
会場 夢うさぎ
(東京都多摩市落合1-46-1ココリア多摩センター5F TEL: 042-319-3813)
交通アクセス 京王相模原線「京王多摩センター」駅
小田急多摩線「小田急多摩センター」駅
多摩都市モノレール線「多摩センター」駅
よりいずれも徒歩5分
申し込み方法 学会事務局までメールまたはFAXで申し込みください。
(定員は15名です)
FAX 075-441-0436
MAIL jde07707@nifty.com

障害ある女性の生きにくさを明らかにした
PDF版の案内 「複合差別実態調査報告」に聞こう!

とき 2017年3月19日(日) 14:00 〜 16:30
ところ ダイニング「街なか」2階ホール
(埼京線十条駅北口から左へ徒歩1分:Tel. 03-6454-3870)
レポーター
  1. 米津 知子さん
  2. 佐々木 貞子さん
  3. (お二人はDPI女性障害者ネットワーク実態調査担当者)
会費
  1. 会員500円
  2. 非会員1,000円
  3. 学生500円

DPI女性障害者ネットワークによる複合差別実態調査は2011年に実施され、2012年に「報告書」が発行されました。当時の代表南雲君江さんは、巻頭「この報告書を手にして下さったあなたへ」に、次のように書いています。

「この調査事業は、この社会に生きる障害女性たちが、今までなかなか表現できなかった『生きにくさ』や『生活の困難』を明らかにし、施策・研究・提言等あらゆる場面で活用していただきたく作成したものです。 (中略)障害女性に対する施策の充実や、日々の暮らしの向上につなげてほしいと、切に願っています。(中略)さらに、障害の有無にかかわらず、この社会を覆っている、生きにくさの原因を紐解く鍵となることと信じています。」

本学会は、今年度取り組むテーマとして旧優生保護法に定められた「強制不妊手術(優生手術)」について研修を重ねています。1万6千人もの障害をもつ人々がこの法律によって不妊手術を強制され、人生を変えられました。 1996年の優生保護法が母体保護法に改正された後も、その被害に対し国に謝罪を求め現在「人権救済申立て」を日本弁護士連合会に行っている飯塚さんへのその支援を本学会も行っています。

強制不妊手術被害者の7割が女性であったことから、障害女性が障害者差別と性差別を併せて受けている状況を幅広く知りたいと思い「複合差別実態調査報告書」の研修会を企画することになりました。

今回は、調査から明らかになった実態について理解を深めていきたいと思い、調査を行い報告書にまとめたお二人からお話しを伺います。

私達は心理職としてクライエントに関わる中で、差別された人々の立場に身を置くことを大切にしたいと願っています。

オープンダイアローグの基礎、リフレクティング・プロセスを学ぶ
PDF版の案内 コーディネイタ/ファシリティタ:功久(いさく)

★今話題の「オープンダイアローグ」とは、統合失調症なるものに対する方法としてフィンランドの過疎地域で生まれ、抗精神病薬や支援体制に対する概念を大きく変え、これまでの常識を覆えそうにとしている方法であり、考え方です。そこには専門家の在り方を根底から見直させる発想があり、精神医療の領域を超えて、大きく注目されて来ています。医療や福祉をはるかに超える可能性をもっているからです。

しかし、オープンダイアローグを理解する多くの人は、これが日本の医療や福祉の中に入るには極めて大きな困難があると予想しています。外からの制度上の抵抗はもちろんですが、グループを支配する文化的抵抗は、それ以上かもしれません。 創設者の一人であるヤーコ・セイックラはオープンダイアローグとは“治療法というより political thing だ”と言ってい ます。しかし、日本では「政治」と言い出したら、それだけで多くの人が引いてしまう。これは一体なぜでしょう? このことこそ文化的抵抗と 深くつながっているかと思います。

★こうしたことを心に留めておきながら、オープンダイアローグの実際のなかで基軸として使われているリフレクティングを、まずは学びましょう。リフレクティングはナラティヴ・アプローチの家族療法家であったノルウェーのトム・アンデルセンの実践から生まれてきた方法です。この技法の背後には近代の専門家支配というイデオロギーを超えんとする価値観や理念が含まれてもいます。フィンランドの実践を見ると、オープンダイアローグの基礎には、リフレクティグ・プロセスがあって、全体が展開していると分かります。

【注意】これは 8 月に東京で行われたワークショップの続きです。ただし、前のワークに参加していなくとも、入れるようにしたいと思っています。但し、この小冊子の中にある前回の報告はぜひ読んでおいてください。前回と同様にいくつかのレクチャーもしますが、少しでも実際に試みながらリフレクティング・プロセスを学んで行きます。オープンダイアローグを全く知らない人も、リフレクティングがどういうことなのかわからない人も全員参加できるようにします。但し、きれいにまとめあげることはしません。

★日本臨床心理学会は、本来は対話こそを大切にしようという精神をもって来たと思いますが、 時代状況の変化とともに、内部的にも対外的にも多くの困難と問題を抱え、それが以前にまして難しくなっているところが出てきています。学会というこの組織とそこに集まる人の集団の抱える困難や障害をいかに乗り越えるか、このワークショップのファシリティタとしては、これに対しての強い願いをずっと抱いて来ました。回り道でもワークショップを通じて流れることから、日常の動きや流れに新しいものが現れることを!と。今回もワークショップでは、この学会の組織や関連の集団における問題などは扱いません。そのためには全く別の設定が必要と思っているからです。これを承知して参加ください。

日時 2016年11月12日 10~16時
場所 京都橘大学 響友館F401号室
京都市山科区大宅山田町34
TEL 075-571-1111
参加費
  • 会員/1,000円
  • 非会員/2,000円
  • 学生/800円

★人数に制限がありますので、申し込みが必要です。

申し込み先 takino@tachibana-u.ac.jp
交通

京都市営地下鉄東西線 「椥辻(なぎつじ)駅」下車徒歩約 15 分(市営地下鉄京都駅から約30分)京都駅(八条口)9時10分発のバスがあります。大学のサイトから交通アクセスでお調べください。

地図

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2016年度研修委員会・研修会のお知らせ PDF版の案内

「優生手術問題とその謝罪を求める運動の課題と経過」

講師/大橋由香子さん (SOSHIREN女(わたし)のからだから、優生手術に対する謝罪を求める会メンバー)

主催日本臨床心理学会研修委員会
日時2016年6月18日(土)/14:00~17:00
場所北とぴあ会議室/東京都北区王子1-11-1
電話03-5390-1100
交通JR,地下鉄南北線王子駅から徒歩約1分
参加費
  • 会員:500円
  • 非会員:1000円
  • 障害当事者/学生:500円
問合せ 日本臨床心理学会事務局(京都府京都市北区小山西花池町1-8土倉事務所内)
  • TEL:075-451-4844
  • FAX:075-441-0436
  • E-Mail:jde07707@nifty.com

内容

今年3月、ジュネーブの国連女性差別撤廃委員会が公表した対日定期審査の「最終見解」では、 優生保護政策で障害を理由に不妊手術を受けさせられた人に関する調査研究及び被害者への謝罪と補償を日本政府に勧告しました。

これを受けて、去る3月22日参議院厚生労働委員会で、厚労大臣は「御本人から厚労省に御要望があれば、職員が本人から御事情を聞くということで、 厚労省としても適切にしっかりと対応したい」と回答しています。その一方で、同省の局長は「当時に行われたことにつきましては、適法のもとで、という前提で制度が 動いていますので、当時のもの(旧優生保護法時のこと)に関して、さかのぼって損害賠償をするというのはなかなか困難ではないかと思っております」と答えています。

今回の当学会研修会では、優生保護法・優生手術に関する問題点に関して、学会運営委員の高島真澄からの報告後、永年にわたり優生手術被害者飯塚さんの 謝罪要求を支援してこられた大橋由香子さんからその運動の課題と経過について、更にこの度下記の女性団体”SOSHIREN”のメンバーとしてジュネーブに赴き、 「国連女性差別撤廃委員会の活動」に関わりまたロビー活動をされた経過のご報告をして頂きます

最後に当学会会員の松山容子さんから、心理職にどの様な関わりを期待するかを話して頂いた後、 会場の皆さまとこの問題について議論を深めていきたいと思います。

講師紹介

大橋由香子さんは、「SOSHIREN女(わたし)のからだから」及び「優生手術に対する謝罪を求める会」のメンバーとして 活躍され、女性障害者に強要される優生手術や、その根源となる、産むか産まないかの選択権、優生思想ついて鋭い視点 での論評を展開されています。

フリーライター・編集者。著書『満心愛の人』『生命科学者中村桂子』ほか。『学生のためのピース・ノート2』に「産むか・産まないか」を寄稿。

北とぴあ案内図

PDF版の案内 ヒアリング・ヴォイシズ京都ワークショップのご案内

日本臨床心理学会では、ヒアリング・ヴォイシズ(以下HV)を日本に紹介し、2000年の岡山大会では、HVの中心的存在の、マリウス・ロームさん、サンドラ・エッシャーさん、 ロン・コールマンさんを招いての講演会を開催しました。その後、2002年の横浜での世界精神保健大会の折に、マリウス・ロームさん、フィル・トーマスさんの講演会を開催し、 2010年には学会編の「幻聴の世界」を中央法規出版社より出版するなどしてきました。今回は、本学会が第51回大会のプレ企画として、ヒアリング・ヴォイシズ研究会と共に、 京都でHVのワークショップを上記の日程で開催します。

HVでは、「幻聴」は、誰でも聞くことがあり、「幻聴」があることイコール精神疾患の症状ではないととらえています。薬で「幻聴」を抑えるという方法だけにとらわれることなく、 「幻聴」によって生活を支配されないようにする、或いは「幻聴」を受容して、より自分らしい生き方を模索する方法を、ヴォイスヒアラー(声が聞こえる人)と一緒に考え探っていきます。 現在は、ヒアリング・ヴォイシズ研究会が、岡山、大阪、東京の3か所で、ヴォイスヒアラーと一緒に考える例会を実施しています。なおHVでは、「幻聴」体験者の体験をありのままに 尊重する意味から、「幻」の文字をはずし「聴声」とか「ヴォイス・ヒアリング」と呼称しています。

今回のワークショップでは、HVを日本に紹介した佐藤和喜雄さんに、HVの基本的考え方と「幻聴」への対処方法を中心にHVの概要を解説して頂き、 その後、岡山、大阪、東京の3か所で行われているHVの定例会での活動内容を報告してもらいます。また、HV定例会に参加しているヴォイスヒアラーの人から も体験や定例会の感想などを語って頂く予定です。

日時 2015年7月25日(土) 14:00~17:00
場所 京都大学 総合人間学部棟1階1103講義室
参加費
  • 会員・500円
  • 非会員・1,000円
  • 当事者・家族・学生・500円
主催 日本臨床心理学会
共催 ヒアリング・ヴォイシズ研究会

会場案内図